トランプ大統領がシリアからの完全撤退に言及したニュースは日本以外でトップニュースとなった。日本では国際社会の関心ごとは無視して森友問題などに集中していたが、世界が注目するシリア内戦の現状を日本人は知ることができないのだろうか。
トランプ大統領は会見で、「私は手を引きたいし、兵士らを帰国させ、米国の再建に着手したい」と発言。IS掃討という「米国の主要任務はほぼ完了した」と説明している。確かにシリアで活動するISは掃討できたかもしれないが、世界中にISのシンパが潜んでいることは忘れてはならない。
トランプ氏の発表に早くも米政権内では懐疑的な見方が広まっている。米国防総省の当局者らは、米軍撤退によりシリアのアサド大統領と同盟国のロシア、イランの勝利が確実になるのは望ましくないとしている。
イランと対立するサウジアラビアのムハンマド皇太子も、3月31日の米タイム誌インタビューで「シリアでの駐留を継続すべきだ」と再考を要請。そしておもしろいことにシリアのアサド政権を支援するイランは米軍の早期撤収を歓迎している。
この中東を巡るパワーゲームはどのように決着するのだろうか。国連がこれまで散々「停戦」を呼びかけ、和平交渉を行ってきたがそれは全く意味のないものであり、結局は「大国の決断次第」ということが改めて浮き彫りとなった。北朝鮮問題もそうだが、国連の存在意義はもう存在しないのではないだろうか。
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