既成事実を作られた東シナ海ガス田問題 これこそ安倍政権の大きな失点

日中両政府は29日、海洋問題について幅広く話し合う「高級事務レベル海洋協議」を福岡市で開いた。東シナ海での偶発的衝突を防止する防衛当局間の「海空連絡メカニズム」の早期運用などを巡って意見交換。中国が一方的に進める東シナ海の日中中間線付近のガス田開発についても協議し、対立解消策を探ったもようだ。


 日本側は7月7、8両日にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際に調整している安倍晋三首相と習近平国家主席の首脳会談を見据え、東シナ海を巡る緊張緩和を促したい考えだ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS29H59_Z20C17A6000000/



既成事実を作られた東シナ海ガス田問題 これこそ安倍政権の大きな失点


日本政府の外交・防衛担当者はいつになれば学ぶのだろうか。日中ガス田の問題に関して完全に既成事実を作られているではないか。この問題の本質は尖閣諸島や南シナ海の領有権の問題と同様で、中国の戦略は一環している。まずは実効支配という既成事実を作り上げ、交渉を有利に進める狙いがある。こうした動きを知りながら行動に移さなかった日本政府の問題である。


政治家の仕事として国民の生活の向上などが挙げられるが、政治の重要性の大部分は国民の生命・財産・国家の主権、領土を守ることであり、外交政策は時の政権の大きな役割である。外交政策の頓挫で政権維持が困難になる状況はこれまでの歴史を振り返れば明らかだが、日本世論に関して言えば、政策そのものの批判よりも政治家の発言やイメージ操作によって政治というものが評価されている。異常な状況である。この問題に関して言えば、安倍政権の大きな失点であるはずなのだが。


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