シリアの壊滅的状況を世界は知っているのか?

国際社会はオリンピックが開催されるなかで、北朝鮮の動向に関心が集まっているようですが、国際社会は混沌とした状態が続いています。中でもシリア内戦は以前よりも悪化しており、手の負えない状況が続いていて、国家は壊滅的な状況となっているようです。


国際社会の一員として、我々日本人も知っておかなければいけないことでしょう。情報を集約しましたので参考にして下さい。


何年も続く多国間の紛争


シリアはアサド政権に反発する反体制派の蜂起から内戦が始まり、その後テロ組織ISがシリアで活動するようになり、アサド政権を支援するロシア、反体制派を支援する欧米諸国、さらにクルド人、そのクルド人と敵対するトルコが参戦するなどして、「世界大戦」の様相を呈しています。


反体制派はアサド政権軍の執拗な攻撃によってほぼ壊滅的状況で、現在では米国などの「有志連合軍」も活動を控えており、シリア政府軍の優勢が続いています。


そうした戦況の中、最近でも戦闘は続いています。

シリア政府軍の砲撃を逃れる東グータの市民(CNN)

シリア軍、反体制派地域に爆撃と砲撃 71人死亡


シリア人権監視団によると、シリア首都ダマスカスの近郊にある反体制派が支配している東グータに対して、シリア政府軍が空爆や迫撃砲による攻撃を実施したことで、少なくとも71人が死亡し、325人が負傷したことがわかった。


子ども9人を含む民間人62人が死亡した。武装勢力のメンバー9人も死亡したという。ロシアとトルコ、イランが2017年5月に結んだ和平合意では、東グータは「緊張緩和地帯」とされていた。https://www.cnn.co.jp/world/35114961.html


爆弾が雨のように降る…シリア政府が東グータ攻撃 
多数死傷シリア政権軍が今月に入り、首都ダマスカスに近い反体制派地域の東グータを空爆している。人権団体によると、17日から20日にかけての攻撃で、子供を含む約200人が死亡したという。http://www.bbc.com/japanese/video-43137053

国際機関も絶望の声を発表


各国際機関もさすがに今回の東グータへの攻撃を非難しています。しかし国連は長年このシリア内戦を止めることができなかった責任は重いはずです。今さら非難をしても「国連は何もできなかったじゃないか」という声が聞こえてきそうですね。


「地上の地獄だ」 国連事務総長、東グータ戦闘中止求める
国連のアントニオ・グテレス事務総長は21日、シリアの首都ダマスカスに近い東グータで続く戦闘について、状況は「地上の地獄」に等しいとして、戦闘の即時停止を求めた。


同日開かれた国連安全保障理事会でグテレス事務総長は、「東グータには一刻の猶予も許されない」とし、「我々の目前で展開しているのは人類の悲劇だ。このような恐ろしい形で起きていることを、放置できないと思う」と語った。http://www.bbc.com/japanese/43150815


ダマスカス周囲の勢力支配図。緑がシリア政府、紫が反体制派、オレンジがIS。(BBC)


ユニセフ、異例の一文声明 シリア空爆で子供犠牲に「言葉ない」
 
国連児童基金(ユニセフ)は20日、シリアの首都ダマスカス郊外の東グータ地区への大規模空爆について「殺された子どもたち、その父母、最愛の人々をいたわる正しい言葉はない」という一文のみの声明を発表した。国際機関の声明が一文にとどまるのは異例。


 ユニセフのヨルダンのアンマン事務所が発表した。一文のみとなった理由について「子どもたちの苦しみと我々の憤りを示す言葉はもうこれ以上持ち合わせていない」と説明。一文の下には大きな空白をつくり、無言の怒りを示した。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27230450S8A220C1000000/


安保理がシリア停戦決議案採決へ


この危機的な状況に国連安保理が停戦案を提示した模様。しかしながらこれまでも同じような決議案を採択してきたものの、シリアの状況は好転しなかったのが事実。これも無意味なものになる可能性は高いでしょう。


安保理でシリア停戦決議案、人道支援で30日間 ロシア反発も 
国連安全保障理事会の非常任理事国であるスウェーデンとクウェートは21日、シリアで人道支援を目的とする30日間の停戦決議案を理事国に配布した。早ければ22日の採決を目指すが、アサド政権を支援するロシアが反発する可能性がある。
決議案は、シリア全土での30日間の停戦を柱とする。国連機関の人道支援を包囲された地域に行き渡らせる。特に東グータ地区など特定4地域の包囲作戦を一時停止し、病院や医療機関を保護するとした。また内戦の当事者に市民を保護するよう求めた。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2724766022022018FF1000/


シリア内戦で苦しむ市民を置き去りにした国際社会の罪はかなり重いです。停戦案は発行されても結局のところ遵守するかしないかは現場の戦闘員の意思。苦しみから解放されない市民に物資を確実に届ける具体的な方策が求められるでしょう。


Mitsuteu.O


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