名護市長に新人・渡具知氏…移設反対の現職破る(読売)
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設受け入れの是非が焦点となった名護市長選は4日投開票され、移設を容認する自民、公明両党などが支援する前市議の新人・渡具知武豊とぐちたけとよ氏(56)(無=自民・公明・維新推薦)が、移設反対派の現職・稲嶺進氏(72)(無=民進・共産・自由・社民推薦、立民支持)を破り、初当選した。
移設容認派が推す市長の誕生は8年ぶり。政府は計画通りに移設先の同市辺野古沿岸部の工事を進める方針だ。
選挙戦は渡具知氏と稲嶺氏の一騎打ちとなった。秋の知事選の「前哨戦」と位置付けられ、政府・与党と移設反対を掲げる翁長雄志おながたけし知事の陣営が激しい選挙戦を繰り広げた。
選挙戦で渡具知氏は、移設問題について、国と県との訴訟が係争中として、受け入れの是非に言及せず、国の支援を受けて地域振興に取り組む姿勢を強調した。与党は相次ぐ米軍ヘリのトラブルやこれに関連した国会でのヤジによる内閣府副大臣の引責辞任で危機感を強めたが、前回自主投票だった公明党の推薦を取り付けたことが大きかった。
辺野古沿岸部で移設工事が本格化して初の市長選で、日米両政府が同飛行場の全面返還に合意した1996年以降、6回目。これまで容認派が3回、反対派が2回勝利していた。渡具知氏の得票数は市長選で過去最多となった。当日有権者数は4万8781人で、投票率は76・92%(前回76・71%)だった。
政府は昨年4月以降、辺野古沿岸部で複数の護岸造成工事を進めている。最長約270メートルに達しており、政府は護岸工事が完了した場所から、本格的な埋め立て作業に着手する方針だ。工事は選挙期間中も着々と続けられ、市長選の投開票から一夜明けた5日も行われた。
安倍首相は5日午前、渡具知氏が当選したことについて、「本当に勝てて良かった。市長が公約したことには国としても責任を持って応援していきたい」と首相官邸で記者団に語った。辺野古への移設工事に関しては、「市民の理解をいただきながら、(2016年の)最高裁判決に従って進めていきたい」と述べ、工事を進める考えを示した。
一方、翁長氏は4日深夜、「基地問題や経済振興について理解を得られず大変残念だ。争点外しもあったが、(今後については)相談しながらやっていきたい」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/20180204-OYT1T50148.html
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